「スマホで手軽に動画を撮れる時代。でも、“伝わる動画”を作るには編集がカギなんです。」
最近、YouTubeやTikTok、InstagramなどのSNSで、自作の動画を発信する人が急増しています。旅行の思い出、ペットの日常、ゲーム実況、商品レビューなど、「誰もがクリエイターになれる時代」と言っても過言ではありません。とはいえ、撮影した映像をただつなげるだけでは、見てくれる人の心に残る動画にはなりにくいもの。
本当に伝えたいことを伝えるには、”編集”というひと手間が欠かせません。
そんな編集作業をやってみたいけれど、「専門的なソフトが必要なんじゃ?」「高性能なデスクトップPCがないと無理?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。でも、安心してください。
今やノートパソコン1台あれば、充分に高品質な動画編集が可能です。
この記事では、「動画編集って興味あるけど、何から始めたらいいのかわからない」という初心者の方に向けて、ノートパソコンで動画編集を始めるための基本知識から、おすすめのソフト、編集のステップ、さらに作業を快適にする周辺機器や上達のコツまで、丁寧に解説していきます。
「やってみたい」を「できた!」に変える第一歩を、いま踏み出してみませんか?
ノートパソコンで動画編集を始める前に知っておくべきこと
動画編集を始めようとするとき、多くの人が最初に準備するのは編集ソフトですが、実はそれ以上に大切なのが「パソコンのスペック」です。ノートパソコンで快適に動画編集を行うには、ある程度の性能が求められます。 編集作業中にフリーズしたり、書き出しに数時間かかったり、というトラブルを避けるために、まずは基本知識を押さえておきましょう。
快適な動画編集に必要なスペックとは?
動画編集では特に、CPU(プロセッサ)、メモリ、ストレージの性能が重要です。CPUには最低でも「Intel Core i5」以上、できれば「Core i7」や「Apple M1」クラスを選びましょう。メモリは8GBでも動作しますが、理想は16GB以上です。 ストレージはSSDを搭載しているパソコンをおすすめします。HDDに比べて読み書き速度が速く、スムーズな作業が可能です。
また、編集する動画が4Kなど高解像度であれば、グラフィック性能(GPU)もチェックポイントになります。ノートパソコンにもNVIDIAやAMDの外部GPUを搭載したモデルがあるので、検討してみる価値があります。
ノートパソコンとデスクトップの違いを知っておく
ノートパソコンの最大のメリットは「 portability(持ち運びやすさ)」です。 どこでも作業できるのは大きな魅力ですが、一方で熱がこもりやすく、長時間の高負荷作業には不向きな面もあります。そのため、排熱対策や安定した電源の確保も考慮しましょう。
使用予定の編集ソフトとOSの相性も確認
動画編集ソフトによっては、Mac専用やWindows専用のものもあります。たとえば、iMovieはMac専用、Vegas ProはWindows向けです。自分が使いたいソフトとパソコンのOSが対応しているか、事前にチェックすることが大切です。
編集は「道具選び」が肝心。まずは自分のパソコン環境を見直して、無理なく始められる準備を整えていきましょう。
初心者におすすめの動画編集ソフト
動画編集をこれから始めたいけど、「どのソフトを使えばいいの?」と悩んでいませんか?数ある動画編集ソフトの中にはプロ向けのものも多く、初心者にとっては操作が難しすぎたり、機能が多すぎて戸惑ってしまうこともあります。だからこそ、「使いやすさ」と「安心感」が重要です。ここでは動画編集初心者にぴったりの、おすすめソフトをいくつかご紹介します。
無料でここまで!?DaVinci Resolve
まず注目すべきは、無料なのにプロ並みの編集ができる「DaVinci Resolve(ダビンチ・リゾルブ)」。カラー補正や映像合成、音の調整といった高度な編集が全て無料版で使えます。少し学習コストはかかりますが、慣れてしまえば映像制作の強い味方になるソフトです。「いずれ本格的に学んでいきたい!」という人には最適です。
Macユーザーなら迷わずiMovie
Macを使っている人におすすめなのが「iMovie」。直感的な操作とシンプルなインターフェースが魅力で、初心者でも扱いやすい設計になっています。テンプレートやエフェクトも豊富で、ドラッグ&ドロップで簡単にカット編集やタイトル挿入が可能です。
手軽に始めたいならFilmora
「気軽に始めたい!」「おしゃれな動画をすぐ作りたい!」という方には「Filmora(フィモーラ)」がおすすめ。豊富なテンプレートと分かりやすいUIが特徴で、初心者でもプロさながらの動画を仕上げられます。有料ソフトですが、無料体験版も用意されており、気軽に操作感を試せるのが嬉しいポイントです。
まずは“自分に合うか”を試そう
どのソフトも特長が異なるため、最初は実際に触ってみて「自分にフィットするかどうか」を判断するのがベスト。重要なのは、継続して使い続けられるかどうかです。最初のソフト選びが動画編集の楽しさを大きく左右します。あまり難しく考えず、試しに一つ使ってみることから始めてみましょう!
実際の編集作業の基本ステップ
動画編集に挑戦するとき、最初にぶつかるのが「編集って何から始めればいいの?」という疑問です。実は、編集作業にはいくつかの基本的なステップがあり、その流れを身につけるだけで作業効率がぐっと上がります。ここでは、初心者でも安心して取り組める、動画編集の基本ステップについて解説します。
素材の取り込みと準備
まず最初に行うのが、撮影した動画や画像、音声素材の取り込みです。ノートパソコンで作業する際は、ファイルをわかりやすくフォルダ分けして整理することがポイントです。「動画」「音声」「BGM」「エフェクト」といった形で分類しておくと、編集中に迷うことが少なくなります。
不要な部分のカット
次に行うのが「トリミング」と呼ばれる作業。動画の不要な部分や失敗シーンをカットし、テンポの良い映像に整えていきます。ここで意識したいのは、視聴者が飽きずに見られるテンポ作りです。あまりにもカメラが止まっている時間が長いと、退屈な印象を与えてしまうことも。
テロップや字幕の挿入
カットを終えたら、次はテロップの追加です。会話の内容を補足する字幕や、タイトル・説明文などを動画に加えていきましょう。フォントや文字の大きさ、色の選び方で印象が大きく変わるため、見やすさを意識するのがコツです。
BGMや効果音を加える
映像だけでなく、音も動画の印象に大きな影響を与えます。BGMや効果音を加えることで、より臨場感や雰囲気を伝えられます。フリー音源を活用することで、著作権の心配なく雰囲気作りができますよ。
書き出して公開へ
最後のステップは、完成した動画の「書き出し(エクスポート)」です。MP4形式や解像度(1080pなど)を選んで保存しましょう。SNSやYouTubeにアップする予定がある場合は、対応した形式で保存するのがおすすめです。
この基本的な編集の流れを覚えるだけでも、確実に上達への一歩になります。最初は操作に戸惑うかもしれませんが、慣れてくるとスムーズにできるようになりますよ。動画制作の楽しさを実感できるステップですので、ぜひ何度も挑戦してみてください!
動画編集を快適にするおすすめ周辺機器
ノートパソコンでの動画編集は、スペースを取らず持ち運びも便利ですが、長時間の作業となるとやはり限界も。そこで、編集作業の効率を劇的に高めてくれる周辺機器をうまく取り入れることが大切です。ここでは、初心者でも扱いやすく、編集のクオリティと快適さを向上させるおすすめアイテムをご紹介します。
外付けストレージで容量問題を解決
高画質の動画ファイルは容量が大きく、ノートパソコンのストレージをすぐに圧迫してしまいます。そんなときに頼りになるのが外付けのSSDやHDD。特にSSDは読み書き速度が速く、動画編集時のプレビューや書き出し時間を短縮してくれます。USB3.0やThunderbolt対応のものを選ぶと、ストレスなく作業できますよ。
外部モニターで視認性と操作性アップ
ノートパソコンの小さな画面では、細かい編集作業に限界があります。外部モニターを接続することで画面が広がり、タイムラインやエフェクトの操作が格段にしやすくなります。さらに、カラー補正など繊細な作業も高精細なモニターを使えばより正確に仕上げられます。目の疲れも軽減できるのがうれしいですね。
編集向けマウス・キーボードで作業効率アップ
細かいカット作業やタイムライン移動には専用のマウスやショートカット付きキーボードが大活躍。一般的なマウスでも使えますが、ボタンが多めの編集向けマウスは、効率化に大きく貢献します。ショートカットキーの設定を覚えると、さらに快適な作業が可能です。
冷却グッズでパフォーマンス維持
動画編集中はパソコンに相当な負荷がかかるため、熱対策も忘れてはいけません。冷却ファン付きノートパソコンスタンドを使えば、排熱効果も上がりパフォーマンス低下を防ぐことができます。加えて、画面を目線の高さに上げられるため、姿勢保持にも役立ちます。
動画編集を快適に行うためには、パソコン本体だけでなく「周辺環境の整備」が重要です。自分に合った機器を取り入れて、クリエイティブな時間をより心地よく楽しんでみてください。
編集スキルを上達させるためのコツ
動画編集を始めたばかりの頃は、何をどうすればよいか迷うものです。しかし、地道に続けていけば確実に上達していきます。ここでは、初心者でも無理なくスキルアップできる実践的なポイントをご紹介します。
とにかく数をこなすことが近道
編集スキルは、座学よりも「手を動かすこと」で身につきます。最初は5分程度の簡単な動画を作ってみましょう。旅行の思い出やペットの記録、日常を切り取ったVlogなど身近なネタでOKです。慣れてきたら少しずつ編集要素(カット、テロップ、BGMなど)を増やしながらチャレンジするのも効果的です。
他の人の作品をたくさん見る
上達のヒントは、優れた作品から学ぶことにもあります。YouTubeなどで自分の好きなジャンルの動画を視聴し、「なぜここでこのカット?」「どんな効果音を入れてる?」と考えながら観察してみてください。プロの手法を分析・真似することは非常に良いトレーニングです。
ショートカットキーを覚える
操作の効率を上げるには、編集ソフトのショートカットを活用するのが非常に効果的です。時間短縮は集中力を保つ秘訣でもあります。最初はよく使う「再生/停止」「カット」「戻る」など、数個を覚えるだけでも格段に作業が楽になります。
アウトプットしてフィードバックをもらう
編集した動画は、ぜひSNSやYouTubeなどで公開してみましょう。最初は緊張するかもしれませんが、他人からのコメントや反応は、次へのモチベーションに繋がります。また、家族や友人から意見をもらうのもおすすめです。
学習コンテンツをうまく活用する
YouTubeのチュートリアル動画や、無料・有料のオンライン講座を活用するのも手です。わからない機能があれば検索すればすぐに解説動画が見つかる時代。「調べて覚える」習慣が編集スキルの伸びを加速させます。
焦らず、楽しみながらコツコツ続けていくことが、動画編集上達の一番の近道です。
よくある初心者のミスとその対策
動画編集を始めたばかりの方の中には、作業が思うように進まず「自分には向いてないかも…」と感じてしまう人も少なくありません。でも安心してください。それは誰もが通る道であり、ちょっとした工夫で乗り越えられるミスばかりです。ここでは、特に初心者によく見られる失敗と、その対策をご紹介します。
保存忘れでプロジェクトが消える
意外と多いのが、「数時間かけて編集したのに、ソフトが落ちてデータが消えた」というパターンです。編集作業中はPCにかなりの負荷がかかるため、突然ソフトがフリーズすることもあります。
対策は「自動保存の設定を必ずオンにしておくこと」です。 また、15〜30分おきに手動保存するクセをつけておけば、いざというときにも安心です。
編集機能を使いすぎてごちゃごちゃに
エフェクトやトランジション、BGMに効果音…。いろいろできると楽しくなって、詰め込みすぎてしまうのも初心者あるあるです。しかし、過剰な演出は視聴者にとって見づらいだけになってしまいます。
まずは「不要な部分をカットする」「余白を残して見せる」など、引き算の美学を意識してみましょう。
動画の出力設定を間違える
編集はうまくいったのに、書き出した動画の画質が悪かったり、ファイルサイズが重すぎたりするのもよくあるトラブルです。YouTubeやSNSにアップロードする場合、それぞれに適した解像度や形式があります。
事前に「どこで使う動画なのか」を明確にしてから出力設定を決めるのがポイント。 MP4形式の1080p(フルHD)を選んでおけば、まず間違いありません。
素材の管理ができていない
編集途中で「ファイルが見つかりません」というエラーメッセージに悩まされる人も多いです。これは、素材ファイルの場所を移動したり削除したりして、ソフトが参照できなくなるためです。
素材は「プロジェクト用フォルダ」を作って一箇所にまとめておき、編集が終わるまでそのフォルダ内のファイルは動かさないことが鉄則です。
失敗は上達のチャンス。「なぜうまくいかなかったのか」を振り返るクセをつけることで、確実に編集スキルは伸びていきます。焦らず、楽しみながら一歩ずつスキルアップしていきましょう。
ノートパソコンだからこそ知っておきたい注意点
動画編集をノートパソコンで始める人が増えている今、気軽に作業できる反面、デスクトップとは異なる注意点もあります。ここではノートパソコンならではの特徴と、それに応じた対策方法を解説します。
熱対策は万全に
動画編集はPCに大きな負荷をかける作業です。ノートパソコンは本体がコンパクトな分、放熱性が劣る傾向があります。高温状態が続くと、動作が遅くなったり突然のシャットダウンにつながる可能性もあるので注意が必要です。熱暴走を防ぐためには、ノートPC用の冷却ファンや放熱パッドを活用したり、風通しの良い場所で作業することがポイントです。
バッテリーでの作業は控えめに
電源につながずに作業をすると、バッテリーが急速に減るだけでなく、PCの処理性能が制限される場合があります。これはノートPCがバッテリー駆動時に自動的に省電力モードへ切り替わるためです。本格的な編集作業をする際は、必ず電源アダプターを接続して使用しましょう。
画面サイズの限界を知る
13〜15インチといったノートパソコンの画面では、細かな編集作業がしにくく感じることがあります。特にタイムライン編集や細かな字幕入力などでは、表示領域の狭さが効率を妨げる原因になります。こうしたときは、外部モニターを接続することで作業領域を拡張し、より快適な編集が可能になります。
ストレージは常に整理を
動画ファイルは1つでも数GBを超えることがあります。ノートパソコンはストレージが少なめなモデルも多いため、すぐにディスク容量がいっぱいになってしまうことも。外付けHDDやSSDを活用して、編集用素材や完成データをこまめに整理・保存する癖をつけましょう。
ノートパソコンでも、これらのポイントに注意して使えば、動画編集を快適に行うことができます。「手軽さ」と「創造力」を上手に両立させて、あなたの作品づくりを楽しんでください。
まとめ:動画編集を長く楽しむために大切な心構え
完璧を目指さず「楽しむ」ことから始めよう
動画編集を始めると、つい「見栄えの良い動画を作らなきゃ」と気負ってしまいがちです。しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。最初は数分の短い動画や、スマホで撮った簡単な映像にテロップを入れるだけでも十分立派な作品です。編集のステップは複雑に見えて、実は少しずつ積み重ねていけば確実に上達していきます。
自分の作品を誰かに見せよう
動画編集の魅力は、「創ったものを誰かと共有できる喜び」にもあります。YouTubeやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSで発信してみることが継続の原動力になります。再生回数やコメントは編集スキル向上のヒントにもつながりますし、思わぬ反応がモチベーションになったりします。
編集仲間や学びの場を見つける
一人で黙々と取り組むのも楽しいですが、同じ趣味を持つ仲間や学びの環境があると、刺激を受けながらスキルアップしやすくなります。オンラインのコミュニティやDiscordサーバー、動画編集講座などに参加してみるのもおすすめです。時には他の人と一緒に一本の動画を仕上げてみるのも良い経験になります。
小さな成長を自分で喜ぼう
「最初のテロップが入れられた」「思い通りのカット編集ができた」という小さなステップの積み重ねが、あなたの編集スキルをどんどん高めていきます。自分の上達を記録して、振り返る習慣を持つと、長く続けるモチベーションにつながります。
最後に何よりも大切なのは、動画編集というクリエイティブな趣味を「義務」や「仕事」ではなく、「好きなこと」として続けること。楽しむ心を忘れなければ、動画編集はあなたに多くの喜びと成長を与えてくれるはずです。